優太はあたしの手を引いて、掲示板の真ん前に立った。















「……あったぞ」


「えっ!?」


「378番だろ?」


「うん……」


「絢華、やったじゃん!」



優太は凄く喜んでくれているんだけれど、あたしは次から次へと溢れてくる涙に、顔すら上げられなくて……



「絢華?」



優太が少し屈んで、あたしの顔を覗き込んできた。



「何泣いてんだよ。自分の目でちゃんと見ろよ」


「だって……」



涙が止まらないんだもん。


優太があたしの後頭部に腕を回して、自分の胸に引き寄せた。



「絢華、頑張ったな」



そう言って、髪を撫でてくれる優太の手も声も……


好きすぎて凄くどきどきする。




涙も落ち着いて顔を上げると、注目の的になっていたことにかなり焦った。


そりゃそうだ。


掲示板の目の前で男女が抱き合っていれば、注目されるに決まっている。


とりあえず掲示板を見ると、ちゃんと自分の番号があった。


少しずつ実感がわいてきて……


ほんとに合格したんだと思うと、また涙が止まらなくなってしまった。



「絢華は泣き虫だな」


「だって……」



このために凄く頑張ってきたんだもん。