「なんで?」


「絢華と一緒にいると、すっげぇ楽しいし、すっげぇ幸せだけど……俺、いつか絢華を壊してしまいそうで、……怖かった」



壊す?



「……意味わかんない」


「ほんとは俺だって、メールも電話もしたいし、もっと会いたい、……ずっと一緒にいてぇよ」


「だったら……」


「だから!絢華といると、好きすぎて、愛しすぎて、……壊してしまいそうになる」



優太は『壊す』とか『怖い』とか言うけれど……



「“壊す”の意味がわかんない」



そんなあたしに、優太は苦痛に満ちたような表情で、口を開く。



「俺、……絢華を、……抱きたいんだ……」


「えっ」



トクンと胸が高鳴った。



「絢華の声を聞くたびに……絢華に会うたびに……絢華に触れるたびに……俺、我慢できなくなる」



優太は、あたしのことを大切に想ってくれていたんだ。


そう思ったら、目から大粒の涙がポロポロと溢れてきた。



「……我慢、しなくていいのにっ……あたしだって、優太のことが大好きなんだよ?あたしは、……いつでも優太にあげるつもりだったのにっ」


「……っ!」



優太があたしをぎゅっと抱き締めてきた。



「……んなこと言ったら、……俺、ほんとに我慢できねぇよッ」