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胸辺りまであるあたしの髪。
いつもは前に流れてくる髪を留めたり、結ったりしているけれど、今日はまったく手を付けなかった。
横髪をスッキリさせる勇気はなかった。
優太は出勤前に家に寄っていった。
その目的は、……このキスマーク……
じゃなくて、愛の証。
こう言うと、やっぱりどきどきする。
でも優太はニヤリと笑みを浮かべて、“頑張れよ”と一言放って去っていった。
「紗羽、おはよ」
「おはよー、絢華、……あれ?珍しいね、寝坊したの?」
「えっ」
「髪の毛だよ」
やっぱり何も手を付けていないとかえって不自然?
「今日は何もしたくない気分だった」
「あはは、何それ」
変に思われてない?
「須藤、おっす」
「あ、おはよう」
隣に座る坂井くんと挨拶をかわした。
人と挨拶をかわすたびに、見られているんじゃないかって、気付かれているんじゃないかって、どきどきしすぎて胸が痛くなる。
なんかあたし、罰ゲームを受けているみたい。
胸辺りまであるあたしの髪。
いつもは前に流れてくる髪を留めたり、結ったりしているけれど、今日はまったく手を付けなかった。
横髪をスッキリさせる勇気はなかった。
優太は出勤前に家に寄っていった。
その目的は、……このキスマーク……
じゃなくて、愛の証。
こう言うと、やっぱりどきどきする。
でも優太はニヤリと笑みを浮かべて、“頑張れよ”と一言放って去っていった。
「紗羽、おはよ」
「おはよー、絢華、……あれ?珍しいね、寝坊したの?」
「えっ」
「髪の毛だよ」
やっぱり何も手を付けていないとかえって不自然?
「今日は何もしたくない気分だった」
「あはは、何それ」
変に思われてない?
「須藤、おっす」
「あ、おはよう」
隣に座る坂井くんと挨拶をかわした。
人と挨拶をかわすたびに、見られているんじゃないかって、気付かれているんじゃないかって、どきどきしすぎて胸が痛くなる。
なんかあたし、罰ゲームを受けているみたい。


