そういえば葉山くんとも同じクラスだし、学園祭の時に、紗羽のことが好きだから紹介させてほしい……と言っていた葉山くんの友達、黒川くんとも同じクラスになった。


その黒川くんと紗羽を引き合わせたのが、学園祭の約一週間後。


紗羽は、ほんとに好きになった人としか付き合う気はないって断言してて……


今もなお、黒川くんとは友達でいる。



「そういや、優太先輩は元気?」


「え、優太?」



坂井くんが突然優太の名前を出すから、どきっとしてしまった。



「卒業式ん時は凄かったよな」



からかうような目で見てくるから、あのことを言ってるんだって……


顔が熱くなった。



「あれは忘れてね」


「あはは、忘れたら優太先輩にシメられそう」



坂井くんは笑いながらそう言ったけれど……



「何で?」


「だってあのキスは、わざとじゃん?」


「……」



そうなの?


ていうか、“キス”とか言わないでほしい。



「そういうとこ、絢華は鈍いんだよね?わかってないのは絢華だけだよ。優太さんも手をやいてたもんね」



紗羽が口を出してきた。



「そんなことないもん」