「何?」
「……なんでもない」
こうやって一緒にいる時間が愛しくて仕方ない。
電車を降りて学校までの道のりを、恋人繋ぎで歩いた。
途中で声をかけてくる、優太の友達にもあたしの友達にも“今日は声をかけないで”って言いたくなった。
卒業式が始まって……
一年生は式には出席しないから、教室で体育館から流れてくる歌に耳を傾けた。
中に入りたかった。
後ろ姿でいいから、優太の姿を目に焼き付けておきたかった。
溢れ出てくる涙を止められなくて、机に突っ伏して泣いているあたしの背中を、紗羽がずっとさすってくれた。
式が終わってしばらく経ったら、卒業生のほとんどが外へ出た。
あたしも紗羽と外へ走った。
大きな輪の中心で優太が笑ってる。
バスケをしている優太が一番好きだけれど、友達と笑い合っている優太を見るのも好きだった。
あの笑顔はいつもあたしの胸をときめかせる。
ふと、優太の隣にいた太一さんと目が合って……
太一さんが優太に声をかけた。
こっちに視線を移した優太……
「……なんでもない」
こうやって一緒にいる時間が愛しくて仕方ない。
電車を降りて学校までの道のりを、恋人繋ぎで歩いた。
途中で声をかけてくる、優太の友達にもあたしの友達にも“今日は声をかけないで”って言いたくなった。
卒業式が始まって……
一年生は式には出席しないから、教室で体育館から流れてくる歌に耳を傾けた。
中に入りたかった。
後ろ姿でいいから、優太の姿を目に焼き付けておきたかった。
溢れ出てくる涙を止められなくて、机に突っ伏して泣いているあたしの背中を、紗羽がずっとさすってくれた。
式が終わってしばらく経ったら、卒業生のほとんどが外へ出た。
あたしも紗羽と外へ走った。
大きな輪の中心で優太が笑ってる。
バスケをしている優太が一番好きだけれど、友達と笑い合っている優太を見るのも好きだった。
あの笑顔はいつもあたしの胸をときめかせる。
ふと、優太の隣にいた太一さんと目が合って……
太一さんが優太に声をかけた。
こっちに視線を移した優太……


