この日から、菜摘と井口くんと一緒に勉強することになった。


そのおかげで、余計なことを考えなくてよくなったし、効率よく勉強ができるようになった。


二週間ほど経った頃から、杉浦くんも一緒に勉強し始めた。


杉浦くんは凄く頭が良くて、あたしが目指す桜ヶ丘高校よりも、もっと上の高校を受験すると言っていた。


頭のいい人がいると、わからないところを教えてもらえるから、凄くありがたかった。



「そういえば、絢華もうすぐ誕生日だね」


「あー、うん」


「誕生日近いの?いつ?」



隣に座った杉浦くんが聞いてきた。



「明後日」


「ほんとにすぐじゃん」


「予定たててるの?」



菜摘が心配そうに言う。


菜摘の言う“予定”は、優太との予定のこと。



「まあ、一応」



三日前に優太からメールが来た。



“長くは会えないけど、家に行くから、お祝いしよう”



って。



「デート?」



井口くんが声をかけてくる。