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あたしが優太と付き合い始めたのは、優太の卒業式の日。




初めてバスケ部へ足を運んだ日、コート内を走り抜ける長身の男の子に目を奪われた。


ディフェンスをかわして放ったシュート……


綺麗にネットを揺らした。


でも……


そんなものより……


あたしは、そのシュートを放った男の子の笑顔に釘づけになった。


それが、藤本優太だった。


三年になったばかりの彼は、すでに身長が180cm近くもあって、どこにいてもすぐに見つけれるくらい目立っていた。


それは、身長が高いというだけでなく、その容姿や性格にも理由があった。


モデルのように小さな顔……


絵に描いたように整った顔立ち……


いつも周りを気遣える優しさ……


すべてにおいて完璧だった。


あたしにとって、雲の上の存在……


好きだったけど、見ているだけで満足だった。