「そうだったんだ。てか、それ話した時どんな反応だった?」


「絢華に我慢させてたって、へこんでたよ」


「マジ?」



確かに、遊園地へ行けないのはちょっぴり寂しかったけれど、それでも優太と二人で楽しむことの方が大切だって思っていたから、我慢していたわけじゃない。



「優太さんとそんな話をしたの?」


「昨日の誕生日ね、遊園地に連れていってくれたんだ」


「えっ、優太さん乗れないのに?」


「と思うでしょ?」


「うん」



あたしだってそう思っていたんだから。



「それがね、……何度も通ってたらしくて、乗れるようになってたんだ」


「マジで?」


「うん」


「絢華、凄く愛されてんじゃん」


「うん」



昨日はそれを深く実感した。



「昨日、絢華が泣いていたから、ちょっぴり心配してたんだよ?」



昨日?


泣いたっけ?



「昨年の寂しさって何?」



あ、そっか……



『凄いの期待しとく』って言ったことを後悔して、へこんでたんだった。



「昨年の今頃は、あたしずっと優太に避けられてたんだよね」


「え、うそ……なんか想像できない」


「夏休みに三回しか会えなかったり、平気で二週間も連絡がなかったり、……ずっとデートもなくて。……とにかく寂しかった」



あの頃のことを思い出すと、今でも涙が出そうになる。