「あたしが楽しかったのは、優太が一緒にいたから。優太がいれば、どこにいたって、何をしたって楽しいもん」


「何をしたって?」


「うん」


「じゃあ……」


「ん?」



優太を見上げると……


ゆっくりと近づいてきて、唇が重なった。


啄むようなやさしいキスに、体がとろけそうになる。


唇が離れたら、ぎゅーって抱き締められた。



「優太、好き」


「俺も好きだよ」


「好きすぎておかしくなっちゃう」


「はは、俺も」


「もう一回、キスして?」



そう言うと、またキスをしてくれた。


今度は深く長く――…








「さっ、帰るか」



遊園地を出たところで、優太が口を開いた。



「え、帰るの?」


「ん、今頃ばあちゃんは、絢華のために腕ふるってると思うぞ」


「おばあちゃん?」


「夜は三人でお祝いな?」



優太はいつも、おばあちゃんの場所もちゃんと考えてくれている。


凄く些細なことにみえるけれど、そういう些細なことがほんとに嬉しい。