唇を離した瞬間……



「優太のバカッ!こんなとこでしないでよ!」



バイト先の前でこんなことをして、知っている人に見られたら気まずいじゃん。



「絢華が名前で呼ばせるから悪い」


「そんなこと言われても……」


「さっきだって男と二人で出てくるし」


「たまたま一緒になっただけだもん」


「……」


「……」


「ごめん、また嫉妬した」


「……あたしだって……っ」



昼間、優太がファミレスに来たとき……



「ん?」


「あたしだって、いっぱいやきもちやいたもん」



優太にぎゅっと抱き締められた。



「なんでやきもちやいちゃうのかな」



素朴な疑問だった。


そしたら、優太があっさりと簡単に応えてくれた。



「好きだからだろ?」


「そっか、……あたし優太のことが大好きだもんね」


「俺だって、絢華のことが大好きだよ」


「ふふ」


「何?」


「なんか、やきもちって醜いって思ってたけれど、好きだからだって思うと、やきもちもいいね」


「そうだな」



優太は、あたしの髪に顔を埋めて、その場所にチュッとキスを落とす。



「……絢華、帰るか」


「うん」



優太の自転車の後ろに乗って、家へ帰った。