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夏休みももう少しで終わりという頃、バイトの休憩時間に休憩室で、他の子達と話をしていると……


ドアが開いて、ホールにいるはずの佳菜子さんが顔を出した。



「絢華ちゃん、彼氏が来てるよ」


「えっ!?」



優太が来てる!?


そんなこと一言も言ってなかったのに。


でも気持ちは凄く舞い上がっちゃって……



「あたし、出ていってもいいんですか?」



休憩中とはいえ、バイト時間内だし一応聞いてみると……



「カーディガンでも羽織れば、少しくらい彼氏といてもいいわよ」


「ほんとですかっ!?」



慌ててカーディガンを羽織ってホールに出た。


優太は太一さんと一緒に来ていた。



「優太」


「絢華、メシ食いに来た」



柔らかい笑みを浮かべながらそう言う優太に、胸がきゅんとする。


付き合い始めて二年以上も経つのに、いまだに優太の一つ一つの言葉や仕草に、あたしの心臓はこんなにも反応する。



「そうなんだ。太一さん、こんにちは」


「須藤ちゃん、こんにちは。優太はこう言ってっけど、メシを食いに来たことが目的じゃねぇんだよ」


「え?」



ファミレスに来るのに、ご飯を食べに来る以外の目的があるの?



「わざわざこれだけのために、俺40分かけてここへ来たんだよね」


「40分ですか?」


「優太はさ、気になるけど一人じゃ入れねぇから、俺を呼んだんだろ?」