「……それは反対」


「何で?おばあちゃんに旅費とか、服とか……いっぱいプレゼントしたいんだもん」


「……」


「あたし、おばあちゃんが大好きだから、いっぱいいっぱいおばあちゃん孝行したい」


「俺、絢華のそういう優しいとこ好きだよ。でも……」


「優太?」



優太は眉間に皺を寄せながら……



「バイトは、やってほしくねぇ」


「何で?」


「……」



顔を背けたまま、何も答えない優太の顔を覗き込んでみると……



「ひゃっ……んッ…」



そのまま優太の腕に捕まって、唇を重ねてきた。


軽くキスをかわした後……



「何のバイトすんだよ?」


「この間、ファミレスで募集してるのを見つけたんだ。だからそこの面接を受けてみようかなって」


「ファミレスなんて危険じゃねぇか」



危険?



「えっ、何で?」


「つか、おまえ部活もやってんのに、いつやるんだよ?」


「火曜と木曜と土曜……」



学校の体育館は、男女バレー部と男女バスケ部がローテーションを組んで、交代で使ってる。