優太のこんなに怖い顔は、初めて見るかもしれない。


そんな優太を前に、先輩たちも顔を青くして黙ってる。



「言いたいことがあんなら、俺に言えよ、絢華には手ぇ出すな」



こんなときなのに、胸が、きゅんってなった。


先輩達は相変わらず下を向いたままで……


好きな人にこんなことを言われたら、かなりへこむよ。


でも、優太はそんな三人に向かって、さらに続ける。



「今回だけは許してやる。でも、……次はねぇと思えよ。もしまたこんなことがあったら……俺、相手が女でも容赦しねぇから」



すると……



「ごめんなさい」



三人が次々と頭を下げた。



先輩達が去った後……


ほっとしたのか、ぶわぁーと涙が溢れてきた。



「絢華、ごめんな」



そう言って、ぎゅっと抱き締められた。


あたしも優太の背中に腕を回して、抱きついた。



「…優、太……ありがと」


「絢華」



そう言いながら、髪をそーっと撫でてくれる。


優太の顔を見たくて顔を上げると、やっぱり優しい表情をしていて……


胸がきゅんってなった。



「優太、好き」


「俺も好きだよ」



そう言って、触れるだけのキスをした。


名残惜しくて、つい



「もう一回して」



と言うと、



「だからっ、そういうのがやべぇんだって」



今度は深くて長いキスをした。