放課後、いつも通り部活へ来た。


優太はあー言ってくれたけれど、今日もテンションが上がらない。


淡々とトレーニングをこなし、ボール拾いをする。


そして……


いつも通り、体育館裏へ連れていかれた。



「そろそろ平等に接してくれない?そういう決まりなんだよね」


「別れる決心したの?」


「何とか言いなさいよっ!」



そう言って、また突き飛ばされた。



「……ッ……」



尻餅をついたまま、何も言うことができずにうつむいていると……



「へぇー、いつもそうやって絢華のことをいじめてたんだ?」



えっ?


突然後方から聞こえた声に、パッと顔をあげた。



「藤本くん!?」


「ち、ちがうのっ!」



ゆっくりとこっちに歩いてくる優太。


目の前に来て……



「大丈夫か?」



そう言って、手を差し伸べてくれた。


あたしが立ち上がるのを見届けてから……


優太はゆっくり先輩達を振り返って、



「俺、頼んだっけ?平等に接してくれとか、……そんな記憶、まったくねぇんだけど」


「そ、それはっ……」


「絢華は俺の彼女なんだよ。俺の大切な女傷付けるとか許せねぇんだけど。それわかっててやってんの?」



優太が放つ言葉に、胸が熱くなってくる。