流れ星☆彡

「ど、どうしたの!?」


「ううん、何でもないよ」



すぐに涙を拭き取る。



「先輩に何か言われた?」


「え?」


「だって、部活中、絢華ちゃんに対して、あんまりいい顔をしていなかったでしょ?」



気付いてたの?



「彼氏のことで何か言われたんでしょ?」



鋭い……


江里ちゃんって、凄くおっとりした性格だから、そういうことには気付いてないと思ってた。



「優太には言わないで」


「……何で?あたしは言った方がいいと思うけど」


「言わないでほしい」



もっと嫌がらせが増えたらイヤだもん。


更衣室で着替えて外へ出ると、すでに着替えをすませた優太が、壁に寄り掛かって待っていた。



「絢華、帰ろうか?」


「うん」



普通にしなきゃ。


変だと思われないように……


普通に……


でも……


手を繋いでいるのを誰かに見られるんじゃないかと、必要以上に周りを気にしてしまう。



「絢華?」



そんなあたしの行動を不審に思ったのか、立ち止まってあたしの顔を覗き込んできた。



「あ、……まだ、慣れなくて……一緒に、帰るとか」



苦しい言い訳。