「絢華、返事は?」


「なんか、小学生みたい……“返事は?”って」


「似たようなもんだろ?」



ふっと笑いながらそう言う優太。


確かに、そんなとこもあるけどさ……



「……これって、優太のでしょ?」


「そうだよ」


「あたしが持っていていいの?」


「俺は、絢華に付けていてほしいんだけど。それにあと二つあるから大丈夫だよ」


「優太、ありがとう。凄く嬉しい」



手渡された、……赤のリストバンドを見る。


白の糸で“FUJIMOTO”と刺繍されている。


ほんとに、嬉しい。



でも……



「こんなの付けたら、目立っちゃうよ」


「目立たねぇと付ける意味ねぇだろ?」


「は?」



あたし、目立ちたくないって言ったのに……



「“俺の彼女だから手ぇ出すなよ”って印なんだからさ」


「……そんなことしなくても、誰も手なんか出さないよ」


「わかってねぇな。昨日もおまえ、男バスの奴らに注目されてたんだぞ」


「えっ」


「あいつらには、キツく言っといたけどな」



優太の彼女だから、面白がってるだけなんじゃないの?



「でも……」


「何?」


「……」



あの鋭い瞳を思い出すと……


付けれないよっ……