「妖を愛して何が悪い!!」
天人は呆れたようにため息をつき、
「残念だよ。貴様ほどの妖力者を失うなんてね」とだけ呟いて
掴んでいた腕の骨を折った。
「ぅあ…ぁ…っ!」
折られた腕は力なく地面に落ちる。
暴れないように全身の骨を折るつもりだろう。
天人のくせに残酷だ。
「これじゃあ…珀王様も邪鬼羅と、同じだな…?」
私がニッと笑って言うと天人は顔色を変えた。
珀王様をバカにされた事が許せないのだろう。
天人にとって珀王様は「絶対」だ。
天人は私の心臓が埋まっている胸を踏み潰す。
見下すその瞳には私に対する「憎しみ」しかない。
足にはどんどん力が加わっていき、息をするのも辛い状態。
意識が朦朧とする…。
私は…このまま珀王様の所へ連れて行かれるのか…?
諦めかけた瞬間、天人が何者かに攻撃を受けた。
「早く!!」
手を差し伸べられ、私は連れて行かれた。
天人は私たちを追いかけようとするが
私と天人との距離は広がり、いつしか天人の姿も見えなくなっていく。
私が誰?と聞くと私を助けた少年は
「大宮 信二!」
と答えた。
眩しいほどの明るい笑顔で。
おおみや…しんじ…?
あまりに明るいから、直視することができない___
