またあの事件時の場所だ。
「ちょちょちょっとマヤカ!!!お、落ち着いて聞いてねっ??」
焦ってるのはお前だろ
ってツッコミが似合うくらいの慌てよう
「ふふっ、どうしたの??」
「それがさっ!!!矢野さんめっちゃマヤカのこと聞いてきてさ!!!なんか『なんか聞いてたら教えて欲しい』とかいろんな子に聞き回ってたよ!!!」
「うそっ、」
ハッキリ言って嬉しい
こんなに気をかけてくれてるなんて泣けてしまうくらい。
ただ黙っているあたしを見てきっと麻知は不思議に感じたと思う
でも、どうしてあんな顔をしたの??
どうしてマイコにはあんな笑顔なの??
「それとさっマヤカ??なんか矢野さんマヤカの時は素直に抱きつかれてたけどマイコからは絶対に逃げてるよ??」
「えっ」
それ以上なにも言わない、ただ走った。
麻知の混乱する声が聞こえる。
そんなのどうでもよかった。
あの場所に、亮汰がいるあのクラスに、、、
ひと呼吸して乱れた呼吸を整える
入ろう入ろうと決めてもなかなか入れない。
思い切ってドアを開けた!!!
「なんだ、誰もいないじゃん」
ただ規律よく並べられた机だけがあるその空間は殺伐としていてやけに涙がこみ上げてきそうになった。

