「なぁ、泣いてみたら?お前、全く泣かなかったんだってな。捨てられた時は、まだ小さかったからわかってなかったけど、学校で友達にばかにされて、始めて自分の立場を知った時も、自分が普通じゃないってわかった時も、いとこのお兄さんに、お前の父さんなんて死んで良かったよ、って言われた時も、じいちゃんやばあちゃんが死んだ時も、全く泣かなかっただろ?」


全部、本当のことだった。
その全てを、俺は隣で見ていたから。