ただ、8人家族ということを除いては。 当時は8人ではなかったけれど、うるさいことには変わりない。 1人暮らしを始めたばかりの薫にとって、隣の家から聞こえる賑やかな楽しそうな声は、苦痛でしかない。 だから俺は、そんな薫を自分の部屋に連れ込んで、思いっきり泣かせたんだ。