腹に強く鈍い痛みを抱え、一瞬、何が起きたか解らなかった。
「うわっ、マジで当たった」
「はは、いい気味だな」
嘲り笑う声は複数で、足元に転がったものを見て、なんとか瑞姫は状況を理解する。
ボールを腹にぶつけられた。
それも、小さく当たった時のダメージの大きな野球ボールだ。
前屈みに腹を抑えた状況で、しかし意外と冷静な自分に瑞姫は気付いた。
怒りは、多少はある。
でも耐えられる、我慢が効く。
(少なくとも、私はこれよりも痛い思いなんて何度もしてきた)
大丈夫。
こんなことで辛いとは感じない。
メニュー