痺れはじめた足の悲鳴は、取り敢えず無視して、瑞姫は透を見上げる。


「透、みんなには言わないで」
「は? なんで?」
「あんまり心配、かけたくないから」


大きな溜め息が聞こえた。
こつん、と軽めの拳が降ってきて、小さく肩を竦める。


「痛っ」
「馬鹿か。心配かけるようなこと初めからするな。好かれてないのわかってんだから、目立たないようにしろっての」



確かに、透の言葉も一理ある。
瑞姫にもそれはわかっている。
しかし、何となくそれを認めるのが悔しくて、ついでに昨日の怒りを思い出して、口から言葉がこぼれ落ちた。