「なんで保健室に行ったわけ? 体調悪そうには見えないけど」
怪しむ様に見てくる透に、ごまかすように手を振って言う。
正直ごまかし切れた気がしない。
「……さっきまで悪かったんだよ」
「……瑞姫って、嘘吐く時、瞬きの回数多くなるんだよね。知ってた?」
「え、嘘っ!?」
「ごめん、嘘」
まんまと罠に嵌められた瑞姫は、溜め息をついた。
余計な心配はあまりさせたくないが、今無言を貫いたら、それはそれで無用な心配を生むだろう。
それに、透は瑞姫の意に沿わぬことはしない。
他言無用を頼めば、透以外の“家族”に知られることはないだろう。


