「ねえ、真奈……どうしよう?」
瑞姫が家に帰り着いてから更に1時間以上が経過した放課後。
教室に残っていた鈴羅は、震える声で同じく教室に残っていた真奈に尋ねた。
縋り付くような視線に、真奈は溜め息をつく。
原因は、鈴羅かもしれないし、鈴羅に愚痴を吐くことを促した真奈かもしれない。
初めは、戸惑ったし焦ったし、瑞姫に申し訳ないと思った。
真奈は別に、瑞姫のことが嫌いではないのだ。
しかし、1日経った今日、真奈は完全に吹っ切れていた。
「どうする、って言ってもねぇ……仕方ないじゃん」
真奈は瑞姫が嫌いではないが、好きな訳でもないのだ。
今まで全くと言って良いほど関わりが無かったので、それは当たり前。
庇う義理はない。
真奈や鈴羅が直接の原因だとしても、それは変わらない。


