「飯島さん?」 思考の渦に飲み込まれていた鈴羅は、薫の言葉で我に返った。 「あっ……ごめん、私ってば」 「何、考えてたの?」 慌てて言葉を紡いだ鈴羅口は、しかし薫の声に遮られ、閉ざされた。 漆黒の瞳が、碧の瞳を見つめている。 静かに凪いでいる瞳を見ているうちに、鈴羅は何の気無しに言葉を口にしていた。 「黒瀬は……その、小学生の時……」 そこまで口走って、はっとして黙り込んだ。 怪訝そうに薫が見ているが、鈴羅はそれどころではない。