睨む気力は流石になく、ただ意地で身体を支えているだけの状態で。
それでもどこかで何とかなる、と思っていた。

何とかなる、我慢してればいつかは終わる。

確かにいつかは終わるだろう。
でも、終わってからじゃ遅いことだってあるのだ。


「おい……、こいつ、よく見たら結構いける顔してね?」
「お前相変わらず節操ないなぁ」


その会話だけで、ぞわりと今までになく鳥肌がたった。
同時に震えた腕から力が抜けて、背中がアスファルトにたたき付けられる。
髪の毛が引っ張られる感触は、ほとんど感じなかった。