「敵に回す? 馬鹿なこと言うなよ。……犯罪はな、バレなきゃ犯罪じゃねーんだ、よっ」


調子に乗った、そんな雰囲気の男に予備動作なしの拳を腹に喰らった。
明らかに高校生より歳を食ったであろう男の暴力は、今日クラスメートからの暴行にあったばかりの瑞姫の身体に響いた。

呻く瑞姫を見下ろしている男のひとりが、笑いながら吐き捨てた。


「お前、学校でも虐められてるらしいな。ガキの虐めすら怖くて誰にも話せないんじゃ、俺らのことも口外出来ないんじゃね?」


まったくの見当違いのことを言う男を、瑞姫は密かに哀れんだ。