「何で抵抗しなかった」
「したよ? 流石に男女の体格差に問題があってね」


とは言え、途中から抵抗を諦めていたので、透から僅かに顔を逸らす。
顔を逸らすついでに話も逸らそうと、透の手をぐっと引いた。


「……ん?」
「寒い」


わざと甘えるように見詰めて、掴んだ手をそのまま抱きしめた。


「……ちょっと瑞姫、当たってる」
「ん? ああ、胸?」
「少しは恥じらえよ」
「それ、人の服めくっといて言う台詞?」
「……さりげなく根に持ってる?」
「さりげなくどころか、がっつり」
「……俺が悪かった、取り敢えず腕を放してくれ」


……話を逸らすのには成功したが、少しおかしな方向に逸れてしまったらしい。