「知ってるならそういうこと言うなよ」
「からかわれてばっかだから、からかってみたかった」
「からかったつもりは無いけどな」
「尚更悪いよね、それ」


半眼で透をじとっ、と見て、瑞姫は不意にくしゃみをした。
先程まで雪の中にいたのだ、身体を冷やし過ぎたらしい。


「着てなよ」


ほい、と軽く手渡されたのは、透が着ていて瑞姫が朝借りたコート。
まだ微かに体温の残るそれに、瑞姫は顔を綻ばせた。