「…………」
「話し掛けられているのよ、答えたらどう?」
いつも通りの完全無視で通り過ぎようとした瑞姫だったが、また別の女子が瑞姫の進路を塞ぐ。
軽く舌打ちをして、小さく口を開いた。
「……どこが」
疑問形でないのは、問い掛ければ問い掛けるだけ問答が続くと考えたからである。
その考えは間違いではないのだが、今日に限っては何と答えようとも関係なかった。
「黒瀬は雪が嫌い? でも私たちは好きなのよ、ねぇ?」
いつの間にやら、男女関係なく集まっていたクラスメートに振ると、一斉に肯定が帰ってくる。
「だからぁ……、黒瀬も好きにならなくちゃ」
無理にでも、ね?


