「?」


あたしはマナを見上げた。



「あたしが変な事言ったから……」



しゅんとうな垂れるマナは、あたしの顔色を伺いながら上目遣いで話す。
そんなマナの姿を見ていたら、思わず笑みがこぼれた。



「怒ってなんかないよ。 全然気にしてないってばっ」



あたしはそう言うと、マナのお尻をポンっと叩く。



「ほんと?」

「うんうん!マナは勘が鋭いッ」



あたしはにっこり笑ってマナを見上げた。




「……へ?」
「…てことは…」



早苗とマナが顔を見合わせる。



あたしはピースサインをしてみせた。




要を好きだと実感した。

今まで雲がかかってた空がスーっと晴れわたっていくような、そんな感覚になる。



「ついに!?」
「いつから!?」



2人が同時に身を乗り出す。



「あはっ」



それがおかしくて思わず吹き出してしまう。




要に出会ってたった1ヶ月。


でも誰よりもあたしの中には、大きな存在になった。


あたしは嬉しくてまた笑う。



人を好きになるって、こんなにも苦しくて、切なくて。

あったかい気持ちになるんだね。



要でなければ、味わえなかった気持ち。

すごく、すごく愛おしいと思えた。