旬とキスしちゃった……。


旬の家での出来事を考えると、胸が痛んだ。


あたしは今、旬が好きなんだろうか?


わかんない。




あれから旬はすぐにあたしを家に送ってくれた。

もちろん要のいる家まで来てもらう訳にいかないから、近くの公園で別れた。

別れ際、旬は言った。




『突然あんな事して、驚いたろ?』



あたしはなんと言っていいかわからず俯いた。
抱き締められたりキスされて驚かない人なんているんだろうか?
目を合わさないあたしに旬は真剣な顔で続ける。


『でも、俺謝らないよ。桜井が好きだし、ああしたいと思った。』



そんな事を言うから、余計に何も言えない。



『だから、真剣に俺の事考えて。……ね?』



そう言って旬はあたしの顔を覗き込んだ。目が合い思わず挙動不審になる。





ううぅ。


そんな事言うなんて反則でしょ!?
顔から火が出そうな程熱くなるのを感じた。



『じゃあ、また明日。ちゃんとあったかくして寝ろよ。』



そう言って、あたしの頭をポンポンとした。



旬の後ろ姿を見送っていたあたしは胸が締め付けられるのを感じた。