「……俺、力になれない?」


旬はあたしを見つめたまま、まるでガラス細工を扱うように、大事に大事にあたしの頬に触れる。


その手は要の手とは違う。



「……藤森くん?」


「名前、旬って呼んで……」



旬は、手を離した。


ドクンッ





本当に何があったの?
あたしは、添えられた手の中に温もりを探した。



あたし達は見つめ合ったまま、動かなかった。



旬の、痛い位の視線があたしの体を縛り付けてしまっているようで動けなかった…