「おばさん、何か手伝うことある?」


佐紀子おばさんは、キッチンで野菜を切っていた。


にんじん、じゃがいも……



この材料は……カレーライスだ。



あたしはカレーが大好きだった。



「カレーが好きって未央ちゃんのママに聞いたから、今日はたぁくさん作るからね」


「うわぁ、ありがとうっ!」



大鍋が用意されている。
相田家族3人とあたしの4人で食べるには不釣り合いの大きさだ。



「未央ちゃん、にんじんの皮剥いてくれるかしら?」


「はいっ!ママの手伝いしてたから、料理は結構得意なの」



あたしは佐紀子おばさんと、共同でカレーを作った。






時計の針はとっくに午後7時を回っていた。




まだ誰も帰っては来ない。
佐紀子おばさんはまだキッチンにいて、後片付けをしていた。



あたしはリビングのソファに座り、大きなテレビを眺める。
ブラウン管の中では綺麗なニュースキャスターが、沖縄はもう梅雨になりそうだと伝ていた。



5月になればもう雨の時期なのか……
あたしはなんだかうわの空でそれを聞きいた。





―――― ガチャ



その時だった。
不意に玄関のドアが開く音がした。



帰って来た!!!!