「んん……」



目を覚ますと、まださっきの落雷のせいで停電が続いているようだった。



「大丈夫?」



すぐ近くで低音がして、あたしの体はビクンと跳ねた。

び、びっくりした。


まだ暗闇で目がはっきりしないけど、ソファに寝かされていたあたしの傍で要が顔を覗き込んでいた。




朦朧とするなか、次第にさっきの出来事が頭の中に蘇ってくる。


そっか……。

あたし、足滑らせて……。
まだズキズキと後頭部が痛んだ。




え?

……あれ?

ちょ、ちょっと待って?
ってことは……。


ま、まさか!?



あたしはハッとして上半身を起こすと、自分の体に巻きつけてあるタオルの中に目をやる。




ぎゃーー!


や、や、やっぱり!!!!

あたしは、ワナワナと震えながら要を見上げた。
どんどん自分の顔から血の気が引くのがわかる。


「みっ……みみ……」


声を出そうとするのに、うまく喉から出てこない。


「み、み、見た、見たでしょっ!?」


やっと搾り出した声も、なに言ってるのかわからないくらい挙動不審になりながらタオルを持つ手にギュッと力を込めた。

そんなあたしを見て、要はソファに肘を付いて面白そうにあたしを眺めたのがわかった。


「……っ」