ぼんやりしていると、テレビからは夕方のニュースが流れてきた。


『この地域一体に、低気圧がのびてきていて一時的に大雨を降らす恐れがあります。落雷などに注意してくだい。さらに梅雨前線の活動で・・・・』





雷かぁ……やだなぁ。



あたし、虫とかは平気なんだけど、雷だけはダメなんだ。


原因は、小学校の5年生の時、課外授業行ったキャンプ。
その時も今日みたく天気は夕方から悪くなって、そしてその日のキャンプファイヤーは雨で中止。

あげく雷まで鳴り出しちゃって……。

あたし達の泊まってたテントの近くに雷が落ちて、それ以来ダメになっちゃったんだ。






あたしは窓の外に目をやる。

この時間になると、外はもう真っ暗だ。



要、遅いな……

男の子って、そうなのかな?
要はいつも、こんなに遅いの?



あーっ!こんな風に色々考えてても前に進めない。

1人気合を入れなおすと、あたしは、ソファから重い腰を上げて「うーん」と伸びをした。

キッチンに向かって冷蔵庫を開ける。


とりあえず、なんか作っとこうかな。
なんにもなしだと、なんか言われそうだし。



よし。パスタにしよーっと。

あたしは、髪を1つにまとめると鍋に水を張り、ガスをつけた。





――――――……
――――……




「――……遅い」



要ってば遅すぎるよ。
せっかく作ったパスタ、冷めちゃったし。


もう10時だっつーの!


遅くなるなら連絡くれたらいいのに!




って……あれ?
あたし、なんでアイツが帰ってこないのこんなに心配してるのかな?
帰ってこないなら、それでいいのに。

そうだよ、だって……。
アイツの事、あたし嫌いなんだもん。


そういえば、アイツなんで昼間うちのクラスに来たのかな?

「今日の夜」って言ってた。
もしかして、今日は遅くなるって事言いに来たとか?

だとしら……あたしなんか悪い事しちゃったかも。



急に胸がドキドキと鼓動を打ち出したのがわかった。


どうしよう……。



……要、帰ってくるよね?