後ろの反応が気になる。

要ときたら、そんなのお構いなしでズボンのポケットに突っ込んでいた手を出すと、後ろ髪をクシャッとすいた。


「朝言い忘れててさ。 今日の夜の事なんだけど……」

「は?」


……よよ、夜!?

そんな意味深なセリフ、堂々と言わないでよ!


真っ赤……うんん。
青ざめていくあたしの背後から、ドッとどよめきが起こった。



ザワッ



(朝? 夜!?)

(あの二人って……)


ひえーーーー!



「……」

「未央? 聞いてる?」




う、う、うるさぁーい!



「ちょ……ちょっと来て!!」



あたしはたまらず要の手をとって走った。



「は? ちょ……おいっ?」




もう、マジで信じらんないっ!