「・・・そこでだ。お前はパパの親友の家で暮らす事になった」
ああ……パパの親友ね。
へ~え……
……って誰!!?
そんな人、聞いた事ないよ!
「相田とゆうヤツなんだが、パパとは高校、大学と一緒でね。いいヤツだよ」
笑顔でパパは言う。
……うん。
でも、ね?
パパにとってはいいヤツでも あたしは知らないんですけど。
「ママも知ってるわ。たしか未央と同じ年のお子さんがいるはずよ。
たしか…名前は………えーと……」
ママが考えるように、人指し指をあごにあてて、それをトントンと動かす。
「……め……め…」
「めな……な、な……」
め、な?
なに、それ……
パパ達の顔は一層険しくなる。
「……」
あたしは半分呆れながら悩む2人を眺めた。
「か、か…かなめ!!! そう……かなめちゃんだ。相田要ちゃん。 とっても綺麗な子だよ?」
パパが思いついたように言った。
「あっ そうそう!未央は小さい頃に遊んだ事あるのよ。 覚えてない?」
ママも両手を合わせて、あたしを見る。
二人ともすっきりしたんだろう。
お互いを見合わせて、にっこりと微笑みあった。
かなめちゃん?
一体、何年前の話なんだろう。