「……未央……好きだ」

「……んっ」



キッチンではママが美味しい朝食を作ってくれているだろう。
もう、あたし達の仲は公認なんだけど……

こんな……こんな事って……



どんどん熱を帯びる体。
まるで自分のものじゃないみたいな感覚。
自分のものじゃないみたいな、声。



「……っ」



熱い。

熱い熱い。



要に触れられたところから熱を帯びて、溶けてしまいそう。


あたし……どうしちゃったの?


たまらず顔を背けたあたしを見て、要はクスリと笑った。



「こっち向いて? 俺にちゃんと顔見せてよ」

「……ずるいよ」



ほんとに要はずるい。

女の子が喜ぶ言葉をちゃんと知ってる。
真っ赤になったあたしの唇にキスを落として、そっとおでこに自分のを重ねた。



「……やべー。止まんねぇかも」



あたしに負けず劣らず頬を染めた要。
思わず「あはは」と笑ってしまう。



幸せ……




そしてあたし達はまた唇を重ねる。


深く
深く


お互いの全てを求めるように。



あの日の苺キャンディみたいに甘くて溶けちゃいそうなキス。
そして、不意にやめた要はそっと耳元で囁く。