「未央…俺さこの歌好きなんだよね」

「え?」



俺は、ポケットに両手を突っ込んで青色に輝いているツリーを見上げた。






「クリスマス…1人になっちゃう歌。でも……ちゃんとその後にも得るのもがあるって。
…俺はさ、諦め悪い方だし。この曲みたいに割り切れないけど。
でも、だから…辛くなったらなんでも言っていいからな」




「…旬?」





「とりあえず、相田に譲るって言ってんの!これ以上言わせんなよ…俺かっこ悪すぎじゃん」






俺はそう言うと、未央に背を向けて歩き出した。

未央は慌てて俺の後をついてきた。




「……来るなって!」




思わず大きな声を出して、俺はハッとして口元に手をやった。

近くにいる数組のカップルが俺たちを見て、ヒソヒソと話している。



「………」


「ごめん。でも…俺の事はいいから…早く行って」