相田 要だ。


あいつが俺たちのクラスに、彼女を訪ねて来てからだ。





それから彼女の視線はいつも相田を追ってた。



『まずいな』



瞬間的にそう思って、俺は告白した。




人生初めての告白だった。
間に合ってくれって願った。

まだ俺に傾いていてくれ…って。






『俺は 桜井が好きです』


そう言った俺に、未央は言葉をなくしてた。

本当はそこで答えは出てたんだろうけど、俺は返事を先延ばしてた。


可能性が少しでもあるなら…








…まじかっこ悪い。

なにしてんだ? 俺は。



「はあ・・・」



待ち合わせの場所に着いて、俺は時計に目をやった。



5時40分――…


少し早かったな。



白い息を吐きながら、俺は目の前の大きなツリーを見上げた。