今日は冷えるな…


俺は黒のダウンを着て、携帯と財布をシーンズのポケットに突っ込んで外へ出た。




どんよりと低い雲は手を伸ばせば届きそうな程だった。




「・・・さむ」




首にマフラーをグルグルに巻いて肩をすくめて駅へと向かった。

駅に近づくにつれ、街はクリスマスのイルミネーションでキラキラと輝いてる。




今まで、クリスマスなんて関心なかった。

ただ、毎年のように部活があってそのままみんなでカラオケ行ったり、ボーリング行ったり。


それなりに楽しんだ。

でもそれはクリスマスだからって訳じゃなくて。
いつもみんなで行くのと何一つ変わらない。





『彼女作んないの?』



そう聞かれても、曖昧な返事しかして来なかった俺。

告白されても、毎回断ってた。



興味なかったんだ。
付き合うとか、面倒だろ?


約束して、待ち合わせて…
メールして、電話して。


そんなのいいじゃんって。