お店はまだ開いてないみたいで、店内は薄暗い。 あたしはこっそりと中を覗き込んだ。 『今日は要、バイトじゃないもんね』 最近では、ほとんど毎日バイトを入れているようで、あまり顔を合わすことがなくなっていた。 きっと、疲れてるんだ。 あたしはいつも、そう思うようにしてギラギラに冴え渡る瞳を無理やり閉じていた。 「はあ……」 溜息をついて、店の窓から顔を離した。 「あれ?君はたしか……」 「きゃ!?」 すぐ後ろで声がして、思わず体がビクリと跳ねた。