あたしはコートに身を包み、冷たい北風を避けるように歩く。 学校帰り友達と別れて、駅前通りをふらふらと歩いてみる。 いつもは通らない道。 たまには寄り道もいい。 そんな事を思っていた。 12月に入り、街はだんだんとクリスマスの準備を始めていた。 「きれーい」 赤や緑や青に点滅する街路樹を見上げた。 どうしてかな? クリスマスって、わくわくしてすごく楽しいイベントなのに、心のどこかが穴が開いたみたいにキュって切なくなるのは……。