美咲さんと要の姿が頭にチラついて、あたしは眠くなんかならない。
おばさんも寝てしまい、家の中は静寂に包まれている。
ガチャ
玄関の開く音がした。
要だ。
帰ってきた。
携帯の時計を見る。
今日も12時を回ってる……。
その足音は階段をゆっくりと上がってきた。
その音に耳を澄ます。
そして、あたしの部屋の前で足音は止まると、ドアが静かに開いて暗い部屋の中に光の筋がさした。
「未央?」
要がベッドのあたしに声をかけた。
「……ん」
あたしは起きていたのがバレないように、眠そうに目を擦りながら要を見た。



