その日も、要はバイト。
隣の部屋で準備をする要が気になって、あたしは全神経をその動きに集中させる。
最近は、バイトに行く回数も増え、ほとんど毎日仕事をしていた。
帰りもどんどん遅くなっていった。
それが仕事をしているのかはわからない。
そこまであたしに聞く権利は、ないんだよね。
『束縛、嫌いだから』
要の言った言葉があたしの中の感情にブレーキをかけていた。
毎日、どんなに遅くても、あたしはその帰りを待っていて、要もちゃんとあたしの部屋に来て優しくキスをくれた。
カチカチカチ
そして、今日もあたしは要の帰りを待つ。



