本格的な冬到来。
コートの中に滑り込んでくる風が寒くて身を屈める。
「さむーっ」
あたしと早苗は寄り添うように家路に着いていた。
学校帰りの、いつもの帰り道。
「あ、最近出きた駅前のお店に美味しい豚まんがあるんだって。食べにいかない?」
「いいね~!決まりッ」
あたし達は、少し遠回りをして駅前に向かった。
そのお店は、つい最近オープンしたばかりで、この寒いのに行列が出来る程だった。
「うま~!」
「寒さも忘れるねッ」
その列に並び、ようやく豚まんをゲットして熱いうちに頬張った。
「…………」
あれ?
豚まんを食べていたあたしは、目の前の光景に一瞬目を疑った。



