たくさんの生徒の中、1人だけ違う学校の生徒がいた。
彼女は、門の外から校舎の方を何度も覗き込んでいる。
誰かを探してるみたいだ。
あたしの視線に気づいたのか早苗が言った。
「あ、あれ・・・たしか華ノ宮女子の制服じゃん。あそこ、超頭よくて金持ちしか行けないんだよ?そんなボンボンがうちになんの用かね」
早苗は顎でおどおどしている彼女を指した。
「ふぅん」
あたしも何の用だろうなとすれ違いざまチラッと見た。
え?
その瞬間、ばっちりと彼女と視線がぶつかった。
その子は、何か言いたそうにあたし達に歩み寄ってきた。
「あの・・・すみません」



