さっきより、大きな声で言う。



「わかりません!」


「わからん事を自慢するなっ
・・・わからないなら、しっかりきいとれ!!」



笠田はあたしの頭を教科書でポンポン叩くと、その異様な体臭を残して教卓に戻った。



クスクスと、みんなが笑っている。




笑えないんだってば。



はあ・・・



暑いに加えてサイテー・・・





あたしは溜息を付いて椅子にもたれ掛かった。




『未央、ごめん~』




早苗が小声であたしに囁いた。




いいのいいの。


とあたしは前を向いたまま早苗に見えるように、Vサインをして見せた。