要はにゃははと笑うとあたしの髪をクシャクシャと撫でた。
「超うれしー」
「えっ……」
要は、またあたしの唇にキスをした。
そして、何度も何度もキスをする。
固まっていたあたしの体も、要のキスの魔法でどんどん力を失くしていく。
要の口付けのひとつひとつに反応して、まるで甘いキャンディように溶けてしまいそうだ。
初めはついばむような、優しくてくすぐったいキス。
頭がボーっとする。
もうなにも考えられない。
ただ、必死に要に応えてる自分がいた。
小さな頃の想いを埋めるように、そのキスは深くなる。
「……」
色んな角度から、あたしの唇を味わう要。
何かを確かめるように、要の熱い舌があたしの唇を割って滑り込む。
気持ちと一緒に、どんどん絡まっていく。
吸い上げるような、深い、深いキス。
「……ん……」
こんなキス、あたし……知らない。
気づいたら、またベッドに沈んでいく体。
だけど、全然恐くなくて。
このままどこまでも、要と沈んでしまいたいって、そう思えたんだ。
要の手が、そっとあたしの太ももに触れた。
それだけで、ビクンっと反応してしまう。
まるで割れ物を触るように、優しく触れる要の手が嬉しくて、恥ずかしくて、あたしは思わず顔をそらした。
「未央?」
そんなあたしに要はそっと囁いた。



